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2017年 12月 21日

小さなコックピット

OURSというウェブサイトで、キッチンを取材したいと言ってくださった時、
いやいや、うちはそんな素敵なキッチンではありませんし、と本気で断ったのだけど、
大丈夫ですよ。と以前別の仕事で撮影に来てくださったMさんが言うので、
申し訳ないと思いつつ来ていただいた。

取材日はひどい雨。
ただでさえ小さなスペースはなんだか暗く、さらに不安になってしまい、
大したこだわりもないキッチンを記事にできるのかと一生懸命質問に答えた。

出来上がったものを見たらやっぱり写真は暗かったけど、
さすがプロがちゃんとした文章にしてまとめてくださっていた。
そして第三者の目を通して見ると、
何もないように見えるキッチンに、ちゃんと自分らしさがあるのだな。と思った。

お店をやっていた頃も、必死で毎日を過ごしていたけど、
お客さんに、私の色一色の店だと言われたことがあって、びっくりしたことがある。
そうやって日々の積み重ねが自分になっていき、
個性って作るものなのではなく、滲み出るものなのだなと改めて思った。





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by mido-remix | 2017-12-21 16:11 | いろいろ | Comments(0)
2017年 12月 08日

甘さのDNA

私が生まれる前に亡くなった母の祖母は、甘酒が大好物だったらしい。
冬になると、こたつに入れてよく作っていたようで、混ぜては味見を繰り返し、
出来上がる頃にはもう半分くらいになってしまっていたと母が笑いながら話していた。

その孫である母も、当時のような甘酒を時折飲みたくなるらしく、石切神社の参道で買ってきた麹で、作ってくれと何度か頼まれたことがある。
けれど私には甘すぎて、あまり食べられずに余らせるので、そのうち同じ店で出来合いのものを買ってきたりしていた。

先日、知人の家で作る機会があって、久しぶりに家で発酵させていたのだけど、
やはり出来上がったものは甘すぎて、そのまま飲むというより、料理に使ったりしていた。
一週間ほど経って、鍋だれに使おうとフタを開けると、ブクブクと発酵していい匂いがする。
スプーンですくって一口食べてみると、酸味が出て、甘さがまろやかになり、香りが鼻に抜けた。
美味しい!
火入れされて発酵が止められている市販品は99%酵素が死滅しているらしい。
それとは違って、生きている自家製の甘酒は、当然発酵が進むので、
甘くなった後もどんどん風味が変化していく。
自分の好きな味のタイミングで飲めるのが、自分で作るいいところだなと思った。
私は少し発酵が進んで、ちょっと甘酸っぱくなったのが好きみたいだ。
でも、味見で半分食べてしまう一度も会ったことのない曾祖母は、きっととびきり甘いのが好きだっただろう。



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by mido-remix | 2017-12-08 12:29 | いろいろ | Comments(0)
2017年 12月 04日

育つ

子どもの頃の私は、野菜が大嫌いだった。
昔は、学校も食べ残しに厳しかったので、
いつも給食が食べられなくて、放課後一人教室に残されていた。
冷たく乾いたシチューのカリフラワーを横目に、
下校時間になるのをひたすら待っていたことを昨日のことのように覚えている。

数年前に食育のコラムを頼まれたとき、好き嫌いは気にしなくてもいいと思うと書いた。
なぜならそんな子供だった私がある日突然、急に野菜が大好きになったからだ。

小学2年生のその日、私はひどい便秘で苦しんでいて、
ゴロゴロ床に転がっていると、母が夕食の野菜炒めを食べたら楽になるよと言った。
あまりの辛さに目をつぶって野菜炒めを食べると、
なぜ今まで毛嫌いしていたのか全く分からないほど、それは美味しかった。
多分体が求めていたのだと思う。

今はカリフラワーはすっかり好きな野菜になってしまった。
でもそれは母が嫌いなものだらけの私にめげず、ちゃんとしたご飯を作り続けてくれたからだし、
父が畑から採れたての美味しいカリフラワーを教えてくれたからだとも思う。
とても感謝している。



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by mido-remix | 2017-12-04 17:30 | たべる | Comments(0)