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2014年 04月 30日

再会

小学生の頃、幼なじみのレイコちゃんの通っている絵画教室が学校の帰り道にあって、
教室の日にレイコちゃんが先生の庭の扉をひょいと開けて入っていくのが、
羨ましくて仕方なかった。

絵を描くのはとても好きだったけど、
それ以上に先生の家の庭に、大きなびわの木があって、
季節になると通っている子達が実をもいでもらえるのをそばで見ていたからだ。

母にせがんで、習わせてもらうことが決まったとき、
わたしの頭のなかはオレンジのびわでいっぱいだった。
でも、初めて食べたときの味は覚えていない。


同じ頃、同級生に遠藤さんという子がいて、
わたしは彼女の家に遊びに誘われたくてしかたなかった。
庭にぐみの木があって、
遊びにいった友達は、実を食べさせてもらっていたからだ。

新興住宅街の地元では他に見かけたことのない、
甘酸っぱくて、かわいいその実が食べたくて、
わたしは遠藤さんのご機嫌とりに必死だった。
そのくらいの年の女の子にありがちな、
機嫌を損ねると、あんたは食べちゃダメ。といういじわるを受けないように。

この間、それ以来初めて、ぐみの枝に出会った。
頼んでひと枝もらって、待ちかねたように、家に帰って一粒口に入れたら、
思っていたより渋かった。

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by mido-remix | 2014-04-30 16:32 | いろいろ | Comments(3)
2014年 04月 21日

赤ちゃんでくるまれた赤ちゃん

親戚が家の畑でとれた野菜をくれた。
忙しいだろうからと、いつも
きれいに洗って、新聞紙で包んだ状態にして持ってきてくれる。
そのなかに、青々とした葉のついた小さな人参が入っていた。

お店でも、春が近づくと小さい人参の付いた間引き葉がたくさん届いたので、
いつも柔らかいうちは和え物に、
長けて少し筋ばってきたらかき揚げにしていた。
形がきれいなので、飾りにもすごく重宝した。

かき揚げにするときは、わたしは卵を入れずに、
小麦粉と冷水だけで揚げる。
粉を入れすぎと団子みたいになるし、混ぜすぎると固くなるので、
出来上がり3つ分くらいの菜っ葉にまんべんなく粉をまぶし、少量の水でまとめてすぐ揚げる。
広がっても慌てずお箸できゅっとまとめて、たくさん一度に揚げなければ、
家でも簡単にかき揚げは作れる。
しらすや、桜えびを入れたらごちそうになる。

小さな人参は普通に使ってもいいけど、
オリーブオイルと塩を振りかけ、
ズッキーニやらきのこやらとオーブンで焼いた。
小さいので皮の割合が大きいから、
子供のくせに人参の香りが強くする。

ごちそうさまでした。
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by mido-remix | 2014-04-21 09:18 | たべる | Comments(2)
2014年 04月 14日

フードシック

家にいる時間が増えたので、
近所でいい食材が手に入る場所を探しているのだけど、
なかなか見つからない。
市場の魚や、取れたての野菜がすっかり恋しくなっている。

父の病院の帰り道に立ち寄ったスーパーで、
子供の頭ほどもある、カリフラワーを見つけた。

大山崎からずっと配達してくれたK氏の野菜は、
いつも見た目にインパクトがあって、個性的なK氏そのものだった。
パワーがあって、料理するのが楽しかった。
色鮮やかな人参や、とんがったキュウリ。
森のようなブロッコリー、そして茄子!
何度もへたに付いたトゲで痛い思いをしたなあ。

家族だけでは食べきれないほどの、その大きなカリフラワーを見たとき、
K氏の野菜を思い出して、どうしても買いたくなった。
家に帰って、丁寧に房に分け、
さっとゆがいて食べきれない分はピクルスにした。
クミンシードとローリエを入れて、
少しパンチのある味に。
つまんでいると、K氏のモヒカン頭が思い浮かんだ。

次はこの季節になるといつも野菜箱に入ってた、筍を茹でよう。

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by mido-remix | 2014-04-14 09:50 | Comments(2)
2014年 04月 08日

お引っ越し(Mさん、およびHさんへ)

運びっぱなしになっていた、お店の植木たちをやっと手入れした。
植え替えたり、日が当たるように並べ替えたり。

植物好きのMさんが、店を閉めるとき、
植木はどうするの?と心配そうに聞いて来られた。
持って帰ります。というと、安心したように笑ってられたが、
同じ質問をした、家の人は不安そうに顔を曇らせた。
ちゃんと水やって世話するんやで。

そう、わたしはこんな名前のくせに植物を育てるのがへたくそだ。
忙しくなると、ついつい水をやるのを忘れて、しょぼくれさせてしまう。
そして、いつの間にか毎朝、家の人が渋々水やりをするはめになっている。

お花やさんのH氏に、
木村さんは愛情が足らんねん。と言われたが、
その通りです。
昨日の新聞で、室井佑月が
余裕がなくなると、母親さえ子どもに愛情をかけられなくなる。
と言っていたけど、
その意見の賛否はともかく、
植物に目をかける余裕が足りなかったのは事実。

これからはちゃんと育てますよ。大丈夫。
余裕が足りなかっただけで、
水やりを怠っていたのは、決して性格のせいではゴザイマセン。
多分。

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by mido-remix | 2014-04-08 10:25 | ロカ | Comments(2)
2014年 04月 04日

ソウジマグロ

起きて朝ご飯を食べてから、ずっとせかせか片付けている。

押し入れの中を、戸棚を、本箱を、
不要品を整理し、ほこりを払い、ぞうきんで拭く。

ひとつには、お店のものを家に持ち帰って置いておくスペースを作るため。

こつこつと、本当に好きなものだけ、必要なものだけを、
買い集めて大事に使ってきたので、やっぱり捨てたりしたくない。
また再開するときのためにも、取っておきたいし。
でも、家は狭いので置ける場所は限られている。
どのくらい持ち帰ることが可能か、家を片付けながら決めているのだ。

お店を閉めてから、日に日に、家の中がきれいになっていく。

だけどもうひとつは多分、じっとすることに、もう何年も慣れていないからだ。

朝、目が覚めた瞬間から、仕込みの段取りのことを考え、
夜寝るまで、数えきれないほど時計の針を睨みつける日々。
お店を始めるまでは、家族もついて行けないほどの、ぼんやり人間だった私が、
止まったら死ぬ。マグロみたいになってしまうとは。

数ヶ月前、久しぶりに会った友人から
「ずっと前に、こんなこと言ってたよね。こだわりの強い緑さんらしいなと思った。」
と言われた内容を、私はすっかり忘れていた。
以前は、とても大切にしていたことだったのに。
それは自分の中で、少し休もう。と思ったきっかけの一つになった。

お店のものを運び入れ、それがすっかり家の一部になる頃には、
また私は人間に戻れてるだろうか。

魚の気持ちがわかる人間になれていたらいいなと思う。

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by mido-remix | 2014-04-04 14:57 | いろいろ | Comments(0)
2014年 04月 01日

千秋楽のあと

寝ました!

この数週間、たくさんのお客さまに来ていただき、
本当に感謝でいっぱいです。
なぜだか、寂しさとか、そういう類いの感情はあまりなく、
嬉しさとか、充実感とか、そういうものでいっぱいです。

11年間、終わってみればいいことしか思い浮かばず、
毎日が文化祭、みたいな日々も、
頑張ったなあという清々しさしかありません。

よいお客さまばかりでした。
よいスタッフばかりだったし、
よい業者さんに、よい仕事仲間に、
ほんとによい人ばかりで幸せなお店です。

わがままに辞めたのに、みんなに励まされて、ありがたいです。
必ず、もっといい店を作れるように。
いい時間をいっぱい作れるように、
もっと頑張るしかないです。

みなさん、本当にありがとうございました!
そしてこれからもよろしくお願いします。
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by mido-remix | 2014-04-01 14:47 | ロカ | Comments(5)