料理の中では食べるのも作るのも和食がいちばん好きだ。
もちろん他の料理も大好きだけど
なんだろうなあ。やっぱり日本人だからなのかなあ。
にほんじん云々は置いといて、日本料理の文化が好きだ。
他の国の料理のことを詳しく知ってるわけじゃないけど
丁寧、とか、心遣い、とか
そういうことにかけては一番なんじゃないかな。
炊きあわせ、なんてひとつひとつの具材を別々の調味料で別々に炊いて
お皿に合わせ盛るのだ。
そんな面倒なことをする理由は「その方がおいしいから。」
相手においしく食べてもらうために手間を惜しまず、
しかもあくまで、さりげなく。
上からかけるお汁でひとつにまとめあげるものなので
どれをかけるか、それも心配り。
ひさしぶりに読み返している
『吉兆味ばなし』
ずいぶん前に読んだので中身をすっかり忘れてしまっていたけど
今読むと新しく感じ入ることがたくさんある。
まさに、日本料理の、こころが書いてあると思う。
今日読んでいて、ほうっとため息をついてしまったのが
手間ひまのかかることを心底楽しんでできないとほんとの料理は作れない。
暇な時に、そういうことをやりためておく。
これは「たしなみ」であるが本当は「たのしみ」である。
というくだり。
ああ、日本人でよかったなあ。