フランス料理にデグラッセという技法がある。
肉を焼いたり炒めたりした後の、鍋底についたうまみを
液体(水やワインなど)で溶かすというもの。
そうしてできた液体をソースや煮込み汁の中に加え
肉のうまみを余すことなく料理の中に閉じ込める。
調理師学校で初めてこの技法を知ったとき
ものすごく衝撃的だった。
今まで、こんなおいしいエキスを流しの排水溝に食べさせていたのだ!
以来、洋風和風問わずデグラッセ。
野菜を茹でたお湯も、うまみが出ていると思ったら料理に加えてしまう。
素材のおいしいを全部残らず平らげたい。
と思うようになった。
お店で残った煮物の汁、煮込みのソース、
容器に入れてよく持って帰る。
具を足して一品にする。
スーパーで売ってる変な味のルーやスープより
本当においしい味がする。
流しに捨ててしまう前にちょっと待って。
ケチくさいのかもしれない。
貧乏くさいのかもしれない。
でも、おいしいんだよなあ。